東都紙器では、創業以来、紙箱の加工だけでなく印刷技術についても研究を続けてきました。
印刷でどうしたら美しい発色ができるか、コストはどのようにかかるのか、というご質問をいただくことが多いので、今回は印刷の色についてご紹介します。
カラー印刷したものをルーペで見ると、色がドット状になっているのがわかります。
実はたった4色のインクをそれぞれドットの大きさや数を調整して重ね合わせることで、さまざまな色を表現しています。
この基本の4色「プロセス4色」は、C(シアン:青色)、M(マゼンダ:赤色)、Y(イエロー:黄色)、K(キー・プレート:黒)で構成されています。
この4色で作られる色は、画面のモニターで見る色よりも表現できる色の範囲が狭くなっています。そのため、必ずカラーチャートを見ながら色を設定していく必要があります。
また、プロセス4色は4色のドットを重ね合わせるため、色がにごりやすいという特徴があります。
では、プロセス4色で表現できない色はどのようにしたらよいでしょうか?
その場合は、その色専用のインクを作ることで対応しています。専用のインクを「特色」と呼んでいます。
金色・銀色を使う場合や、会社のロゴなど色が正確に決められている場合などに特色を使います。
特色とプロセス4色は同時に使うことができるので、プロセス4色の印刷に特色1色を追加して印刷することができます。
特色を使う場合は、「DIC」や「PANTONE」といったグラフィック用の色見本帳を見て、「DIC○○番」というように指定します。
ドットではなく、インクそのもので表現するため、鮮やかな発色が期待でき、文字や線をシャープに表現できます。
ただし、印刷機で同時に使用できるインクの数は多くても8色程度。いろいろな特色を数多く使うことはできません。
印刷は「インクを何色使ったか?」で価格が左右されます。
特色を使うと値段が高くなる傾向がありますが、1~2色しか使わない場合は特色を使用した方がコストを抑えられる場合もあります。
以前、東都紙器ジャーナル「人々を「ひきつける」化粧箱とともに。東都紙器工業創業53年の歴史」でご紹介したように、東都紙器は昭和35年の創業時には印刷や紙箱加工の経験やノウハウがないゼロからの出発でした。
そこから独自の研究を続け、紙箱はもちろん、印刷の高度なノウハウを蓄積することができました。
こうした得られた知見を活かして、印刷から紙箱の加工まで、ご不明な点がありましたら丁寧に説明させていただきます。お気軽にご質問ください!