商品パッケージの企画段階で、お客様には表面加工のご要望を伺っています。
表面加工にはさまざまな加工方法があり、商品の特長にあった加工だけでなく、高級感を演出して上質な商品のブランディングに役立ちます。
商品に見合った加工方法を選ぶために、それぞれの特徴をご紹介しましょう。
表面加工とは?
表面加工とは、印刷された用紙にフィルムや特殊な溶剤でコーティングすることです。
もし、表面加工をしなかったらどうなるのでしょうか。
商品を輸送するときには必ず微振動が発生します。中に入っている商品が重ければ重いほど振動が激しくなります。振動で商品と商品の間で摩擦が発生し、印刷面どおしが擦れた状態になってしまいます。このように化粧箱の表面の耐久性を高めるためには、表面加工は紙箱にはなくてはならないものとなります。同時に表面加工は、艶を出したり、マット(艶消し)な質感を出したりと、化粧箱の美粧性を高める役割も担っています。
表面加工の種類とは?
写真は、表面加工をしているものと、していないものです。右のものには表面に光沢があるのがわかります。
こちらは、マット加工を施したものです。マット加工をすると、色に深みが出て落ち着いた質感になります。
表面加工には様々な種類があります。
- ラミネート加工
PPやPETの薄いプラスチックフィルムを表面に貼り合わせて加工します。品のある質感と、吸い付くような手触りが特徴です。高いレベルで高級感を演出したいときにこの方法を使います。フィルムを貼り付けるため、破れにくく、耐摩性が向上します。 - プレスコート加工・ビニール引き加工
印刷表面に溶剤を塗布する方法で、プレスコート加工とビニール引き加工があります。ラミネート加工より安価です。
プレスコート加工はアクリル樹脂を使い、光沢のあるステンレス板に熱で圧着し、冷やしてはがし取る方法です。ラミネート加工に近い光沢やマット感を出すことができますが、時間と共に艶感が徐々に劣化します。
ビニール引き加工は、ビニール系合成樹脂を印刷表面に塗り、熱乾燥させる方法で、
プレスコート加工よりも艶感は劣りますが、OPニス(印刷ニス)よりも被膜が強いものとなります。 - OPニス加工(印刷ニス加工)
印刷機内でニスをコーティングする方法です。
ご紹介した中では一番安価な方法ですが、強い光沢や深みのあるマット感はありません。高級感をそれほど必要としない日用品では主にこの方法を使います。
例えば、化粧品はフィルム貼り、食品はプレスコートやOPニスで加工する等、用途や予算によって使い分けます。東都紙器では、お客様のご要望やご予算、商品の内容をふまえ、最適な方法をご提案いたします。
表面加工の方法だけで、商品の全体の印象が大きく変わります。お客様の大切な商品の魅力を最大限に引き出す加工をご提案します。