東都紙器は創業して56年、環境が目まぐるしく変化するなかで試行錯誤しながら少しずつ業務の改善をしてきました。
その中で先日阿部紙業様の工場を見学し、「本格的な改善に取り組めばもっと高品質で付加価値の高い化粧箱を提供できるのではないか?」という思いが強くなりました。
そこで、社員とも話し合って「品質向上」「技術継承」の2つのテーマについて抜本的な見直しをすることになりました。
須賀製作所 デラックス ハイスピード グルアー SP-650
最新の機械導入でさらなる品質向上を
まずさらなる品質向上について何が必要かを改めて話し合いました。その中で社員からは、「品質検査を目視だけではなく、機械上でのチェックと組み合わせれば品質が向上する」といった声があがりました。
そこで念願だった最新型自動製箱機(グルアー)の導入に至りました。
このグルアーによって生産性が向上した他、合わせて導入したカメラ式検査システムで異品種の混入、のり付け不良といった品質チェックを高い精度で検知できるようになりました。
特に貼加工はオペレーターのスキルに左右されてしまう部分でもあり、今までは加工を完了してから検査をしていたため、のり付け不良が発見されると再検査する場合もありました。
しかし、カメラ式検査システムではのり付け不良を機械が検知するとパトライトが点灯し、その時点で機械が停止して不良品を排出することが可能となりました。
当社には医療機器や化粧品関係のお客様も多く、化粧箱の高品質化が要求されます。品質を追求するために、いままでは品質管理担当者が何重にもチェックを重ねていましたが、カメラ式検査システムの導入で検査の時間が大幅に短縮され、より品質を向上させることができるようになりました。
さらにこれまで内製が難しかった特殊な形状の化粧箱も最新型グルアーの導入によって製造可能となり、試作品の段階からお客様の要望に応えることができるようになったと感じています。
タブレット導入で次世代へ技術を継承
熟練技術者を多く抱える東都紙器にとって、その卓越した技術を若い世代に引き継いでいくことが大きな課題でした。それと同時に、熟練技術者にIT機器を使いこなしてもらうことも業務の改善には不可欠と考えていました。
そこで、今回生産工程の進捗状況を入力できるシステムを構築し、社員全員にタブレットを支給しました。
とはいえすぐに使ってもらうのは難しいので、操作に習熟してもらうために勉強会を開催したりして、
今では社員全員がタブレットを操作して作業状況を入力できるようになりました。
社員の協力により生産状況がリアルタイムで把握できるようになったのは大きな成果でした。
また、熟練技術者の持つ技能を習得するために、作業の様子を動画で撮影し、後から確認することができるようにしました。
熟練者であればあるほど今までにつちかってきた経験や感覚で作業をするため、若い世代に技術を伝えていくのはなかなか難しいことです。
こうして業務を改善していくことでお客様のご要望により柔軟にお応えできる部分も増えてくるかと思います。
どうぞ今後の東都紙器にご期待ください!